大正時代に計画された八八艦隊計画のもと、主力艦援護の為の水雷戦隊旗艦として作られた、英国流の巡洋艦設計を基本とする軽巡洋艦。 この型の船は計9隻が作られ、建造時期によって3つの型に分かれるのですが、これはもっとも最初に作られた型。このタイプはゆるやかな曲線を主としたデザインが特徴で、艦橋の形といい、3本の直立煙突といい、航空機搭載の感じといい、ある種とっても味のある艦だと思います。 |
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キットはもう数年は押入れで眠っていたタミヤの「多摩」を使用。今回は素組みではなく、モールドをなるべく生かす方針の元で、かなりディティールアップしてみました。もっとも今まで素組みばっかりしてきたやつの仕業ですからそんなにたいしたことはありませんが。制作期間は約1ヶ月です。 買っても手をつけてない備蓄状態の模型を見て、一体いつになったら作るんだという危機感と、1個くらいは看板娘的な作品もあったほうがいいなという思いから、俺的に物量・時間無制限体制(^^;)で臨みました、などと前回書きましたが、そもそも俺艦以外はいままで素組みの人なので、無制限体制などといってもたかが知れています。結局は自分なりの形しか出しようがなかったです。 |
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艦側から見て右舷前方より艦橋付近を撮影。 艦橋部分には0.5mmの精密ピンバイスで窓をいくつか追加し、またそれらしく配管や支柱などをプラ版から切り出して適当に追加工作しています。マスト上部は0.3mmと0.5mmの真鍮棒で置き換え、雰囲気だしにエッチングパーツを追加。艦橋の前にある銀色に光るものはエッチングのリールです。繊細さを生かすのとアクセントを出すために、あえて無塗装で配置してみました。なお艦自体の塗装は、箱絵を参考にそれっぽく、架空の二色迷彩としました。 |
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問題の艦載機。 なんとかできました。詳しくは後述。 |
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艦首付近。モールドがされていない波よけを追加。なにを見間違えたのか、3枚で構成してしまいました。これは自分の技量も大いに関係しており、一枚であの形が出せなかったというのが最大の原因です。ヴァンガードさんなんかだと一枚の波よけで処理されてますので、多分そっちの方が正しいと思います。 主砲には生まれて初めて挽きものの砲身を買って取り替えてみました。あと防水布をパテ処理で表現。これってみなさんごくあたりまえにやってる様ですが、私はめんどくさいので好きではありません。今回はやりましたが。その他、写真を見てでっぱりや線など一部の砲塔だけですがそれっぽい感じに加工しています。 |
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艦橋左舷後部。よく作例などで見かける浮き輪をつけてみました。おかげで三本マストが実に太く見えてます。マストにもハシゴやモンキーラッタルなどの加工をしたかったのですが出来ませんでした。 そのほか艦橋構造部にはエッチングの手すり(汎用)をつけました。サーチライトは最初付属のものをつけてしまい、後から透明なものに交換しようとしたもののうまくいかず、結局そのままとしました。 |
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艦中央部。煙突部の開口を、真鍮線とエッチングの手すりを流用しておこないました。本を見ながら試行錯誤でやったため非常に汚いです。基本的工作力を問われる部分だと感じました。そのほか、明らかにオーバースケールなんですが、無謀にも煙突の周囲に張られている線を銅線で再現してみました。線の数を三重に省略したものの素人には非常に手間のかかる作業で、思っていたようにはあまり綺麗には出来ませんでしたが、離れてみるとそれっぽくも見え、苦労の甲斐はあったと思います。 船体中央部(?)には、手製の手すりを配置。0.1mmの真鍮棒など手に入らないので、0.3mmの真鍮棒に0.08mmの銅線を張って再現を試みましたが、かなり難しかったです。手すりの高さは2mm、間隔は5mm位でやってみました。本来なら艦の全周にこの手製手すりがつく予定でしたが、やらなくて幸いだったのかもしれません。たしかこの部位に手すりがある写真を見た気がしたのでやってみたのですが、ここって本当は水上機の格納スペース? そのほか25mm機銃部分にそれらしく防弾版のようなものをつけました。 |
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後部カタパルト周辺部。カタパルトにはファインモールドのエッチング部品を使用しましたが、板自体は厚いのに折れ曲がり部分は非常に薄く、失敗するともうリカバリーが効きません。私もひとつ破壊しました(^^;)。さらに細かい部品を折り曲げる必要もあり、結局私はそこまで使いませんでした。腕のせいや慣れの問題もあるとは思うのですが、私自身は向こう側がそれっぽく透けて見えればそれほど精度や再現度はなくてもいいので、今後はライトユーザー向けに、もう少し使いやすくて安価なものが欲しい所です。(その後各社から色々なのが出るようになりましたが、これを作った当時は選択肢があまり無かったのです) で、肝心の航空機はピットロードの部品パーツのなかから個人的にも好きな95式水偵を使用。水偵別画像はこちら。カタパルトのエッチングに入っていた水偵用のディテールアップパーツを使ったんですが、これまた細かい上に失敗の許されない作りで、案の定半分以上失敗して破壊した挙句、使える部品を適当に加工してつけています。なおプロペラのみ汎用部品のエッチングパーツから使用。塗装は灰色だとアクセントにならないので、手持ちにあったダークグリーンと明灰色の2色塗り。クレーンはエッチング部品が入手できなかったのでそのまま。そのほか、この張り出し甲板部分のみエッチングの汎用手すりを配置。甲板塗装はいかにも追加部分らしく他の個所とは違う灰色です(この辺妄想)。 |
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艦右舷後部より。ここにもエッチングのリールを無塗装にてつけています。 後部マストと旗ざおは真鍮線で置き換えてます。あと機雷敷設軌条は灰色だとなんか自分のイメージと違うような気がするのでこれまた俺妄想で黒鉄色にて塗装。 |
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艦上部より全容。 艦周囲に開けられた穴は手すり用のもの。 |
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いかがでしたでしょうか。まだまだ技量不足甚だしい部分も多々ありますが、多少なりとも何かを感じていただければ幸いです。 なお、今回始めてここまで手を入れて模型を作成してみましたが、精密模型作成に必要なのは、根気と集中力と手先の器用さ、良い道具や部品と想像力や資料を読み取る力もさることながら、なにより象ガメのごときテンポではないかと思いました。何ヶ月もこういう作業を続けていくには、それくらいじゃないと続かないんじゃないのかなあ・・・。 |
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