高速戦艦比叡は、明治末期から大正初期にかけてイギリスで建造された金剛型戦艦の姉妹艦で、日本の横須賀工廠にて竣工しました。
金剛型4隻中、第二次改装が最も後に行われた為、艦橋部が大和型戦艦のテストケースとされ、他の金剛型戦艦とは改装後の外観がかなり異なっていました。
(写真をクリックできるものは、クリックすると別画面で多少大きい写真が見れます)

 

 

 

 
 
 
 

最新装備(当時)に身を包んだ大正の戦乙女、高速戦艦比叡です。キットはハセガワのもの。
今回はとあるライターに印刷されてた第二次改装後比叡の絵をイメージしつつ、説明書読んでそのまま作ったらこんな感じで出来たらいいなと思いながら組んでみました。反対側からみた写真こちら
実はこの船、当初は部品取り用に買ったもので、航空戦艦にするつもりでした。が、中途半端に手を入れて放置すること5年以上。某所の某絵を見て作ろうとは決めたものの、既に甲板のモールドを一部削ってしまったりなどかなりジャンクな状態だったので、とにかく完成を目標に制作を始めました。

 

 

 

 
 
 
 

艦橋付近拡大の写真。水面近くから見たような写真こちら
すでにハセガワの比叡専用エッチングパーツは買ってあったので、その分は換えて後は素組み、のつもりが、資料(といっても写真2,3枚に絵が2枚、小さな図面数点と作例数点程度)見て気になる所だけ手を入れてたら、いつの間にか作業量が(当サイトとしては)えらいことになりました(泣)でも結局個々のパーツは大半使ったので、かなりキットの風味が残ってると思います。それに素組み&デッチアップがデフォの工作なので、完全再現には程遠いレベルですしね。

 

 

 

 
 
 
 

艦の後方から。反対側こちら
フジミが抜けてウォーターラインシリーズの更新が再度始まった時期のキットだけに、組めば比叡以外には見えないけど、今見るとちょっとね・・・。扶桑・山城がリニューアルされた2007年、金剛型は名実ともにWLシリーズの最も古いWW2日本戦艦キットになってしまいました。(その後2008年末に元WLのフジミから新金型で金剛が出ました。私はまだ組み途中ですが、艦尾の一部ライン以外は飛躍的にアップデートされた感じです)
(さらにその後2010年夏にはフジミから新金型で比叡が出たようです。まだ詳しく現物を見てないのでなんともですが、金剛の出来からするとかなり期待できそうですね)
そういう事情もあり、主砲塔はハセガワの伊勢・日向のものを加工して、副砲はアオシマ長門のものを、クレーンなどは別の汎用エッチングパーツからもってきました。低い目線から見た主砲が、ちゃんと重さがありそうな感じがして良いですね。あと気のせいか、一部の専用エッチングパーツに、交換指定のパーツとは大分サイズの違うものが存在してたような気が・・・。

 

 

 

 
 
 
 

艦の真後ろから。
プラペーパーってなんだよ?と存在すらずっと知らなかったヌルい出戻り世代のワタクシでありますが、近年某黄色い潜水艦小売店が新しい汎用素材を出してくれまして、試しに艦載機の主翼をそれで作ってみました。
モールドとかはないのでアレですが、薄さだけは素組みよりも良い感じなようです。

 

 

 

 
 
 
 

付属のネームプレートと一緒に。榛名の時もやったので、今回もやってみました。
華のある高速戦艦金剛型の中で、さらに大和型に準じた一部最新装備ゆえ、太平洋戦争で最初に沈んだ日本の戦艦という点を除いても、人気のある船なのかなと思います。
とはいえ最新装備といっても所詮は持たざる国のもの、持つ国のそれと比較してしまうと、外観はともあれ現実においては厳しい部分があったのかもしれません。
まったく余談ですが、はるか昔に受けた高校の授業では世界史は好きで、その世界史でもよく授業とは関係ない、巻末の方の近現代史を読みあさりつつ、ノートの端に戦艦だの戦闘機だの女の子だの落書きをしていたような少年(^^;)でありましたが、ただでさえ近現代史は最後の方なので端折られる事が多いのに、以前報道された世界史未履修の問題なんかを聞くと、それが事実ならばちょっと悲しくなります。
20世紀前半、当時の世界が持つものと持たざるもののブロックに分かれた事が、悲惨な世界大戦に繋がっていく一端となった、というような教科書的基本知識すら学ばない人間が、受験戦争を突き進みやがてエリートとして世に出て行くとしたら、それは悲しいというより末恐ろしい事かもしれません。

 

 

 

 
 
 
 

姉妹艦榛名と。
やっと完成させてならべてあげる事ができました。同型艦をほぼ必ず作る人の気持ちも分かりますねえ。
でも残り2隻の姉妹艦を作る時は、可能な限り素組みで行くと思います(苦笑

 

 

 

 
 
 
 

艦の横から後部。
今回ほど、制作していて「ありえない」と思える事が起きた回はないかもしれません。
資料を見てしまうと、作っても作っても終わらない修正、さらに瞬着と両面テープで固定したはずのおもりが、艦底板接着後に外れたり、挙句はミスで塗装時に船体を階下へ落としてしまい、その衝撃でおもりが艦を突き破って艦前部破損&亀裂発生、泣く泣く修正したりと、かなりきつかったです。部品なんか何回無くなった事か・・・。
素組みのつもりで始めたくせに、どうせ作るならと欲を出した自分が悪いのですが、この程度にも関わらず、もうヤダ、と何度つぶやいたか分かりませんでした(^^;)
他所のサイトさんの金剛型などは年単位の制作期間だったりするのもあるし、とにかく、成せば成る、で押し通した制作の日々でしたが、なんとか形にはなったかな?
ともあれ、これで以前積みの山から頭上に落下してきた4隻中3隻は無事建造終わった訳で、残り1隻はなかなか作れそうもない設定な感じなので、一応かつての課題はこれで一段落ということにします。

追記:その後、海底調査で比叡が見つかったそうで、某国営放送のニュースでも映像が流れていましたね。新しい事実などがみつかるのかもしれません。

 

 

 

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