イラストリアス級空母は格納庫に装甲を施した世界最初の重防御空母で、計3タイプ6隻が建造され、第二次世界大戦では英国海軍艦隊空母の主力として活躍しました。
装甲化による強靭な防御力で、艦載機への被害をおさえられた反面、搭載艦載機数の減少、格納庫の高さの縮小などの問題もあり、防御力と攻撃力の両立には課題を残しましたが、以降の各国空母設計に大きな影響を与えました。(写真をクリックすると別画面で多少大きい写真が見れます)

 

 

 

 
 
 
 

2005年10月末頃、私が押入れを整理していたら、20世紀末の艦船模型に出戻った頃に作ったイラストリアスが出てきました。当時のすごくへっぽこな技量で作ってみた所あまりのアレな出来にショックを受け、見るのもイヤだったので押入れの奥深くに封印しておいたのですが、今思うと確かタミヤの「ロドネイ」を作った前後にこれを作ったような記憶があり、今でもタミヤ英戦艦群を超える出来のキットはなかなか出て来ない事を思うと、なんだか無理もないというか、実際以上のショックを受けていたような気がしてきました。
そう思うと、押入れに5年も押し込んでいたこいつになんか申し訳ないような気もしてきて、今の自分ならどれくらいまで作れるか、とりあえず完成させる事を目標に、一度組んで超厚塗りの塗装までしてしまったキットを、再度組みなおしてみました。(ここで取り上げているのは旧キットで、この時期はまだリニューアルはされてなかったのです)

 

 

 

 
 
 
 

・・・と、言葉で書くのは簡単ですが、実際一度組んだものを再加工するってのは、かなりめんどい作業でした。その上、やはりこのキット、それなりのキットレベルにするには大抵の小物は別途調達なり加工を要する部品ばっかりなので、とりあえず完成にはしましたが、今でもなお手をいれられる余地はいっぱいあります。そして資料調達の困難。まあブロードバンドのネットがある今日ではそれほどでもありませんでしたが、国内サイトに資料はあまりなく海外のサイトが主だったので、出戻った頃じゃ悪しきダイヤルアップ&テレホーダイの時代だったから、激しく苦労しただろうなあ。洋書は一瞬だけ考えたけど、洋書屋の山のような在庫の中から探す手間と財布の中身を見て諦めちゃったし(^^;

 

 

 

 
 
 
 

斜め上方より。別写真こちら
写真をみながら改造個所をリストアップしていきましたが、印象に残ったとこだけ&好みにデッチアップでも20箇所以上は手を入れました。
そして使うつもりは無かったエッチングも、クレーン&アンテナ部分導入してみました。面倒ですが両面テープ固定にしたので、アンテナは立てる事もできます。

 

 

 

 
 
 
 

飛行甲板上。別写真こちらこちら。マストは自作、煙突は開口してます。
それにしてもどうしてハリケーンはその辺で買えるキットとかで、でてないんですかね。バトルオブブリテンの片方の功労者だというのに。とても好きな機体なので乗せたかったですが、無いのでフジミのスピット&アオシマのソードフィッシュで。ああ・・・もうちっと小さいサイズのラウンデルのデカールが欲しかった・・・。

(追記:その後、ピットロードから2013年にハリケーン・スピットファイヤ・モスキート等のイギリス空軍機セットがでました!クリアパーツじゃないのが残念ですが、そのうち海軍機セットも出るかな?)

(追記の追記:その後、WW2英空母群をリニュ&新規で出したアオシマが、艦載機セット出しましたね。空母キットで使った部品使用のついで的な部分があるであろうとはいえ、あとクリアパーツのキットであれば、かつての自分に言わせれば、これで色々(時間とやる気さえ出れば)捗りそうな気がしますね!)

 

 

 

 
 
 
 

なんだかんだで6割くらい出来あがった頃、ちょいとビビッたのが11月半ばに出たモデルアート誌2006年1月号に出てた、某御大某連載の突如出てきたイラストリアス作例紹介。なんでこの時期にこんなキットを!?と思いつつ、ちょっぴりだけ参考にさせてもらいました。うーん、何たる偶然。ちなみに私は遠い目からのイメージ重視で、高角砲はフッドのものを使っています。連装高角砲の後ろの出っ張りを切って縦半分に割り、間に加工したプラ板を挟んであります。近くで見るとちょい違うけど、少なくともキットのパーツよりはマシなはずです(断言

 

 

 

 
 
 
 

真上から。
のっぺりしてますが、金剛型戦艦よりもでかい船です。ちなみに甲板の塗装はぐぐって拾った写真を参考に。色は以前挫折した時と同じ組み合わせにこだわりましたので、多分史実ではないです。

 

 

 

 
 
 
 

艦後部より。
いやー、終わった、終わった(笑うしかない
もうなんつーか、作ってる間色々ありえない出来事が起きて、最後の頃はもう昔の缶珈琲のCM(お酒のCMだったかな?)のごとく、「愛だろっ、愛」とぶつぶつつぶやきながらめんどくさい事や厄介な作業をこなしてました。でも出来あがってみると、自分なりには見れるものになったし、これでやっと大きな宿題の一つがまた終わったというか、供養はしたよね、って気にはなりました(^^;)。こんな感じのキットが素組みで普通に作れたら、当時の私も妙なショックを受けずに済んだのかもしれませんが、ビスマルクはともかくイラストリアスのリニューアルはほぼ期待できませんから、これは自分で超えなきゃいけない壁だったのかもしれませんね。

追記:その後、二度目の東京オリンピックを迎えるより早く、アオシマがまさかのイラストリアスのリニューアル!_最初店頭で見かけたとき、まさか旧キットの箱換え?前の絵柄どうだったっけ?と思って一度スルーしてしまったのは、ここだけの秘密です(笑
まだ現物のパーツは見ていませんが新金型だそうで評判もよさげですし、近年もアークロイヤル、ハーミーズ、ドーセッシャー、エクセター等と(やられ役的位置とはいえ)他の英国艦も続いて発売されていて、近年発売の旧海軍各種補助艦艇や空母類なんかも含め、タミヤとピットがやってたような分までも、WLシリーズ3社の中ではアオシマが新キット開発を頑張ってくれているようですね〜。

 

 

 

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