南極観測船宗谷は、日本初の南極観測船として、昭和31年から6回に渡って南極観測事業に従事した船です。
もともとはソ連向けの耐氷構造の貨物船として昭和13年に建造され、海軍時代は運送艦・測量船・特務艦として任務に従事、戦後は引揚船・灯台補給船として活躍していましたが、日本の南極観測事業参加が決まったのち砕氷船として大改造が行われ、南極観測船となりました。
南極観測船としての任務を終えた後は巡視船となり、解役後は東京の船の科学館で保存され、現在でもその姿を見る事が出来ます。
(写真をクリックすると別画面で多少大きい写真が見れます)

 

 

 

 
 
 
 

オレンジ色の船体がまぶしい、南極観測船宗谷です。
艦船プラモの中では新興メーカーなシールズモデルズから出ているキットで、自分にとっては初めて組むシールズモデルズのキットだったりします。ご存知の通り戦艦三笠を始めとして、日露戦争時のキットが多いメーカーですが、ピットロードとは違う方向性なれどここもこだわりのメーカーという感じなので、いつかは組みたいと思っていましたが、ようやく組めました。
で、この画像と次の画像ですが、元の写真がちょっと暗めだったので、画像ソフトの自動調整をかけた所、明るくなったのはいいのですが、当時の粒子の粗いフィルムのような風合い&色合いになってちょっとびっくり。構図的にも、なんか南極行って撮ってきた気分になりました(笑

 

 

 

 
 
 
 

氷を割って進むイメージで。
キットの組み具合はかなり良く、丁寧に組んでいけば組むだけなら数日もかからないでしょう。ただし大変なのはそこから。このキット、搭載機も含め色指定が15色もあり、普段せいぜい5〜6色程度しか使っていなかった自分には塗装がかなり大変でした。
色々悩んだ末、アンテナ類以外はエッチング無し、うすうす攻撃や気がついた所だけプラ板・プラ棒で追加・置き換え程度の、原則素組みで組んでみました。

 

 

 

 
 
 
 

斜め前から。
今回組んだのは第3次〜6次観測時が組めるものなのですが、初回限定版で1/35メタル製のタロとジロがついてくるところが嬉しかったです。

 

 

 

 
 
 
 

艦の斜め前上から。
よい出来のキットではあるのですが、一部は資料や実物写真と比べると異なってる部分もあり、艦首や艦尾、一番目のマストなど資料を見ながら工作しました。
その他気になった部分に多少の追加改造はしましたが、やり損ねた部分も多いです。現物が存在しその気になれば資料が比較的手に入りやすいので、本格的にやるとなるとこだわり度は加速しそうで怖いですが。1/700だとマストなどはやはり専用エッチングが欲しくなる所でしょうね。

 

 

 

 
 
 
 

艦の横上方から。
カラーの塗装指示(箱)、技量に応じた細かい指示や年表など資料性もある組立マニュアルなど、キット以外にもこだわりを感じます。とはいえ、色を綺麗に塗るとなると、自分の技量ではマニュアル通り組んではダメで、ある程度組んだのを個別に塗って、最後にまとめて組むという手順となり、さすがにそこまで書いていない点は他のWLのキットと同じですけどね。
あとデカールに関しては、その豊富な種類は素晴らしいものの、破れやすかったり貼りにくいものもあったように感じました。

 

 

 

 
 
 
 

後方上部から後部航空甲板を望むの図。
今回組んだのは、しいていえば第4次・第5次のものだと思いますが、シコルスキーS-58はこの時期は2機あるはずなのですが、キットには1機しかないので、フジミのイギリス艦載機セットから調達。キット付属のものより太めですが、シルエットはこちらの方が似てると思える写真も多いような。
ビーバー機はデカール貼る直前まで気がつかない自分のミスがありましたが、塗装で疲れ果てて直す気力もなかったので、そのままで仕上げてしまいました。

 

 

 

 
 
 
 

艦の後部より。
正直な所、プラキット宗谷を1/700で出してくれただけで、ありがたや〜なのですが、そうなるとやはり旧海軍時代の特務艦宗谷もプラキットで組みたいのが正直な所。てか、こっちの宗谷より塗装的に楽そうだし(^^;、それに奇跡の船が南極観測船時代の宗谷なら、幸運の船は海軍特務艦時代の宗谷かなという気もするし。
ともあれ、素組みで説明書通りに塗装するだけでも、自分の腕としては結構ハードだった一隻で、組むだけならともかく塗装となるとなかなか手ごわい相手だと思います。余裕があったら雪上車作りたかったなあ・・・。
まあガキの頃に南極物語の映画や宗谷物語のアニメを見たとか、船の科学館で宗谷見学した程度なので、南極観測事業そのもののリアルタイム世代の方の熱量には遠く及ばないでしょうが、しかしこれもいつかは組みたいと思っていたキットなので、ともあれ無事組めてちょっとすっきりした気がします。

 

 

 

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